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旅と音楽とワインが好き。

そんなオーナー夫婦2人の物語をご紹介します。

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「わいんびより」の店主である悦司さんは、もともと群馬県出身で会社員をしていました。クラシック音楽が好きなこともあって、若い頃から音楽の都オーストリア・ウィーンには何度となく訪れていたようです。

そして20代後半のある日、

いつものようにウィーンを旅していた悦司さんは、1日だけ郊外を観光しようとドナウ川を船で下りました。そのとき、雄大なドナウ川の両岸に広がる美しいブドウ畑を目にしたのです。

 

「あれだけの畑なら、きっとワインも美味しいんだろうな」

 

と、その土地のおすすめのワインを購入。

それが悦司さんとオーストリアワインとの出会いでした。

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「こんなにワインは美味しいものなんだ」と衝撃を受けた悦司さんは、それからウィーンを訪れるたびに、昼間はワイナリーを回り、夜は音楽鑑賞というスタイルに変わりました。

いつしか美味しいワインを探し、ワイナリーやぶどう畑を訪れる時間が増え、とうとう悦司さんは、勤めていた電機メーカーも辞め、ワインショップへ転職しました。

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その頃、未来のパートナーとなる香さんも、海外旅行が大好きで、さまざまな国を飛び回っていました。

食べることも好きな香さんは、海外のレストランやカフェで見かけるさまざまなカクテルに興味を持ちはじめ、日本に帰ってからカクテル講座に参加しました。

それがきっかけとなってお酒づくりの面白さにハマり、会社員からバーテンダーへ転身。

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ワインとの出会いもバーでの仕事の頃。

しかし、多くのバーテンダーが「ソムリエ」の道を目指すのに対して、香さんは「ワインを造りたい」という想いを抱き、ワインの勉強をするためにニュージーランドのワイン学校へ留学したのです。

ニュージーランドでぶどう栽培とワイン醸造を学び、日本に戻ってからは栃木県にある、ココ・ファーム・ワイナリーで醸造の仕事につきました。

そんな2人が、お店を持つにあたって考えたのは、かしこまったお店ではなくて、1、2杯だけでも昼間から気軽に楽しめるお店がいい、ということ。

しかし当時、2人が暮らしていたところは、車社会ということもあって、ワインショップも出店しづらく、東京へのアクセスもいいので、都心で食事やお酒を楽しむ人が多い土地柄でした。

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かといって東京では、すでにカジュアルなワインバーは沢山あり、2人が目指していたような小さいけれど、アットホームなお店を都会でやる姿は想像つきません。

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そんなとき、日本全国を旅したことのある香さんの心に浮かんだのが香川県でした。

あたたかい温暖な気候で、島や海も近い。

香さんは以前、香川県を旅したときに感じた、瀬戸内の雰囲気を思い出し、高松が候補地として挙げられました。そうして悦司さんも、高松を訪れ、瀬戸内のおだやかな風土にふれ、この地でお店を出そうと決めました。

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2017年の11月に高松に移住してからは、

急ピッチに新しい人生が進みだしました。高松に縁もゆかりもない2人のために、人情に厚いさぬきの人たちが次々に助けの手を差し伸べ、お店の場所も決まり、パズルのピースが合わさっていくように、物事が進んでいきました。

いざお店をつくる段階で、悦司さんが用意した内装プランは6パターンほど。これだけ自分で用意してくる人も珍しいと、建築デザイナーさんも驚いたようです。そんな2人の熱意が周りの人たちを動かしたのかもしれません。

そうして2018年、3月。

多くの人たちの協力で、小さなワインバー&ワインショップ「わいんびより」が誕生しました。

 

レセプションパーティーでは、高松でお世話になった人たちが集まり、ワイングラスを片手に陽気に談笑する人たちの幸せな光景がありました。

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思えば20代の悦司さんが、ドナウ川から眺めたぶどう畑。

それが生きる道を変え、生涯のパートナーである香さんと出会い、2人で新たな土地に移り住み、大好きなワインのお店をやることになりました。

人生は旅のようなもので、新しい出会いが世界を広げてくれます。

そして、これからも「わいんびより」を舞台にした「出会い」が、また新しい物語をつむいでくれるはずです。

そこに立ち寄れば、きっと何かと出会える。訪れた人それぞれの物語の1ページに刻まれる。それが「わいんびより」という場所なのかもしれません。

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店主

荻野悦司

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1965年、群馬県生まれ。

クラシック音楽が好きでウィーンを旅行中に、人生を変えてしまうワインと出会う。今までオーストリアを訪れたのは30回以上。

オーストリアワイン・マーケティング協会認定「オーストリアワイン大使」の肩書きも持つ。フランス食品振興会「ロワールワインコンテスト」入賞。生まれも育ちも山に囲まれた群馬県ということで、高松に移住して人生初の海釣りにも挑戦。

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店主ツマ

荻野香

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1968年、三重県生まれ。

根っからの「旅」好きで、アメリカの大学にも進学。海外旅行だけでなく、日本でも47都道府県すべてを旅した経験がある生粋のバックパッカー。

ただ寒いのは苦手で、あたたかい土地が好きなので、瀬戸内の暮らしは大満足しているよう。好きなものは悦司さんと同じクラッシック音楽や本、美味しいもの全部、ワイン、遺跡。お店にも小さな本棚を設けて、おすすめの本なども紹介している。

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